大腸内視鏡検査の費用はいくら？保険適用や医療費控除についても解説

保険診療の費用

大腸内視鏡検査が保険適用となるのは、腹痛・下血・便通異常などの症状があり、医師が診察のうえで検査が必要と判断した場合です。

1割・2割・3割の自己負担割合によって費用が異なります。

以下は、保険診療での主な費用目安です。

複数のポリープを切除した場合や、生検の部位が多い場合はさらに費用が上がることがあります。

また、処置中の点滴や鎮静剤、使用する機材の違いでも費用が変わる場合があります。

詳細は事前の診療で確認しておくとよいでしょう。

自費診療の費用

症状がなく、健康診断の一環として大腸内視鏡検査を受ける場合は、保険が適用されず自費診療となります。

この場合、検査費用は全額自己負担となり、医療機関ごとに設定された金額が適用されます。

自費診療の費用目安は以下の通りです。

なお自費診療であっても、検査中に病変が見つかり、病理検査やポリープ切除が必要と判断された場合、それ以降の処置には健康保険が適用されるケースがあります。

例えば病理検査のみ保険適用となると、そこからは自己負担1～3割で対応可能です。

そのため自費で検査を受ける場合でも、念のため健康保険証を持参しておくことをおすすめします。

検査結果によって保険診療に切り替わる可能性があるため、柔軟に対応できるようにしておきましょう。

保険診療と自費診療の違い

大腸内視鏡検査は、保険診療となるケースと自費診療となるケースがあり、費用が異なります。

整理すると以下の通りです。

検査の目的や経緯によって、保険診療か自費診療かが決まります。最終的な判断は医師が行うため、事前に症状や希望をしっかり伝え、費用の見通しを立てておくことが大切です。

大腸内視鏡検査費用

大腸内視鏡検査（大腸カメラ検査）の費用は、観察のみであれば診療報酬点数で1,550点（15,500円）程度と定められており、保険適用で3割負担の場合は約4,650円となります。

検査自体は全国一律の料金で行われるため、医療機関によって大きく変わることはありません。

ただし、拡大内視鏡や特殊な観察技法を併用した場合には追加料金が発生します。

初診料・採血料

大腸内視鏡検査を受ける前には、必ず医師による診察が行われます。

初診料は288点（2,880円）、再診であれば73点（730円）となっており、3割負担ではそれぞれ864円、220円です。

またポリープ切除や鎮静剤使用に備えて事前に血液検査を実施する場合があります。

採血料は422〜858点で、患者さんの負担額は1,266〜2,574円です。

初診料には医師による診察や血液検査、検査中に必要な薬剤などが含まれます。

薬剤料

検査時には、腸内の泡を抑える『ガスコン』や吐き気止めの『プリンペラン』などの薬剤が使用されます。

これらは1種類あたり100円程度で、保険適用内の範囲であれば3割負担で数十円の自己負担です。

さらに大腸内視鏡検査では、腸内を綺麗にするための下剤が必要です。

モビプレップ、ニフレック、マグコロールPなど、種類によって価格が異なります。

選択肢が複数あるため、医師と相談して適したものを選びましょう。

鎮静剤

大腸内視鏡検査は、不快感や痛みを軽減するために鎮静剤を使用できます。

鎮静剤は6〜54点（60〜540円）で設定されており、3割負担ではおよそ20〜160円となります。

比較的安価かつリラックスした状態で検査を受けられるため、多くの人が鎮静剤の使用を希望しています。

ただし、使用後は当日の車の運転ができなくなるため、帰宅手段を事前に検討しておく必要があるでしょう。

検査食

大腸内視鏡検査では、大腸内を綺麗にするため、検査前日から消化のよい食事を摂取する必要があります。

自炊する場合は消化の良い食材や調理方法を選ぶ必要がありますが、自炊が難しい場合やどのような食事を選べばよいかわからない場合は、検査食を利用するのがおすすめです。

検査食は医療機関でも販売しており、3食セットで1,200円〜2,000円程度が一般的です。

検査食は、栄養バランスに配慮しつつ腸内の残渣を減らせるよう設計されています。

保険適用外ではありますが、検査精度を高める意味でも検査食の利用は効果的です。

生検・病理組織検査

検査中に異常が見つかった場合には、生検として組織を採取し、病理組織検査が行われます。

病理組織検査の点数は以下の通りです。

内視鏡下生検法310点、病理組織顕微鏡検査860点、病理診断料150点の合計で1,320点（13,200円）となり、3割負担で3,960円が自己負担となります。

ポリープ・早期大腸がん切除

検査中にポリープが発見された場合、その場で切除されることがあります。

ポリープ切除術は5,000点（50,000円）に加え、病理検査や手術設備の加算点数があり、合計では13,000〜30,000円以上になることもあります。

3割負担で約20,000〜30,000円が目安です。

ただしポリープの数や大きさによっては追加で費用がかかるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

健康保険組合の助成制度を活用する

勤務先が加入している健康保険組合によっては、大腸内視鏡検査の費用に対して一部助成を受けられる制度があります。

例えば指定された医療機関で受けること、特定年齢以上であることなどの条件付きで、自己負担額が軽減されるケースがあるのです。

まずはご自身の健康保険組合に制度の有無と条件を確認しておきましょう。

自治体の助成・補助制度を活用する

各自治体では大腸がん検診などの一環として、便潜血検査や人間ドックの費用を一部助成していることがあります。

検査で陽性が出た場合は、医師の判断により保険適用で大腸内視鏡検査を受けられます。

市区町村のホームページや窓口で、助成制度があるかを確認してみましょう。

鎮静剤を使用しない

費用を少しでも抑えたい場合は、鎮静剤を使用しない選択肢もあります。

保険診療であれば負担額は100円前後と少額ですが、自費診療では医療機関が価格を自由に設定できるため、1,000円以上になるケースもあります。

ただし、鎮静剤の費用はそこまで大きいものではないため、不安が強い方や痛みに弱い方は、無理に我慢せず鎮静剤を使用するのがおすすめです。

生命保険の給付金を請求する

生命保険や医療保険に加入している場合、大腸内視鏡検査中にポリープを切除した際に給付金の対象となることがあります。

日帰り手術として扱われるため、保険の契約内容によっては入院・手術給付金が支払われるケースがあります。

対象となるかどうかは保険会社によって異なるため、加入している保険会社に問い合わせてみましょう。