大腸カメラ検査を受けたほうがいいとわかっていても、「恥ずかしい」と感じてためらう女性は少なくありません。肛門からの挿入や下着を脱ぐ必要があるため、プライバシーが気になるのは当然です。
実際の医療現場では、服装・体位・検査着に工夫を凝らし、女性が恥ずかしさを感じにくい環境づくりが行われています。また、医療スタッフも羞恥心に配慮した対応を心がけています。
◉本記事でわかること
- 女性が大腸カメラ検査で感じやすい「恥ずかしい」場面と対処法
- 生理中や授乳中などライフステージごとの受診ポイント
- 恥ずかしさを和らげるクリニックの配慮や準備方法
- 大腸カメラ検査がすすめられる女性の特徴や症状
恥ずかしさを理由に検査を避けてしまう前に、正しい知識をもとに自分の体と向き合ってみませんか。
女性が気になる大腸カメラ検査の疑問や不安

女性が大腸カメラを受けるとなると、前もって気になる悩みの対処法を確認しておかないと心配な方も多いでしょう。
女性が気になる大腸カメラの疑問や不安について紹介します。
生理が来てしまった
大腸カメラ検査は、生理と重なってしまった場合でも問題なく受けられます。肛門から行う検査であり、腟からの出血とは関係がないためです。
生理中の検査時はタンポンがおすすめですが、以下のようにクリニックによって対応の違いがあります。
- いつもの下着にナプキンを着けたまま検査着に着替える
- 生理用紙パンツでもOK
- デリケートゾーンに挟むタイプのナプキンを使用する
生理中の対応について、気になる場合は事前にクリニックに確認しておきましょう。
生理による体調不良がある場合は日を改めることもできるため、気軽に相談するとよいでしょう。
ムダ毛の処理は必要?
肛門周囲のムダ毛が検査に支障をきたすと考える方もいるようですが、剃らなければならないような問題はないため、処理の必要はありません。
「毛が邪魔になるのでは?」「清潔にするためにも剃ったほうがいいのでは?」などと考える人は少なくないと思います。
大腸カメラは細く、挿入時に毛が邪魔になることはありませんし、医師や看護師も大腸カメラ検査に慣れているため、心配いりません。
むしろ、肛門付近の毛の自己処理は危険な場合があるため、大腸カメラ検査はムダ毛を気にせずに受けましょう。
どうしても心配な場合は、事前に相談して不安を解消しておくといいでしょう。
当日の服装は?
大腸カメラ検査では服装に制限はありませんが、検査着に着替えるため、着替えやすい服装をしていくといいでしょう。
検査着は「下半身のみ使い捨ての検査用ハーフパンツ」「ガウンのように上下がつながっているタイプ」「ワンピースにハーフパンツ」など、クリニックによってさまざまです。
ワンピースなどは避け、上下分かれた服を着ていくとどの検査着にも対応できるでしょう。
上の検査着は下着の上から着用するものがほとんどです。
また、下の検査着はお尻のところに縦の切れ目が入っているのみでお尻は見えず、検査時も必要以外の部位は隠れるよう配慮されています。
検査を受ける際は、クリニックに前もって形を確認しておくと服装選びのヒントになるでしょう。
検査途中で便が出そう
大腸カメラ検査中はもし便意を感じても、カメラの吸引機能で大腸内に残る液体を吸引しながら進んでいくため、漏らしてしまう心配はありません。
大腸カメラ検査の途中で便意をもよおすことは、実はよくあることです。
検査の準備段階において腸内がきれいになっているため便が漏れる心配はなく、出てくるとしても透明な水か腸液のみです。
大腸カメラ検査中に便意を感じても、実際に検査中の便失禁はほとんどありません。
妊娠していた場合
妊娠中、または妊娠の可能性がある場合、大腸カメラ検査を受けられないことがあります。
妊娠中に大腸カメラ検査を行うと母子双方に対して刺激になる可能性があることと、検査時に行う鎮静剤が胎児に影響を及ぼす可能性があるためです。
ただし、緊急で大腸カメラ検査が必要と考えられる場合には、検査が実施されることもあります。
大腸がんが疑われる症状がある・検査が急を要するなどの場合、まずはかかりつけの産婦人科に相談するか、婦人科と消化器内科のある総合病院の紹介を受けましょう。
授乳中の対応について
授乳中でも大腸カメラ検査は受けられますが、大腸カメラ検査時に使用する鎮静剤や薬などは母乳中へ移行するため、一時的な断乳が必要です。
クリニックによって対応は異なり、一定時間(24時間〜1週間程度)の断乳をお願いしていることが多いです。
麻酔を使わない検査を提案できる場合もあるため、まずは医療機関で相談してみましょう。
子宮や卵巣の手術をしたことがある場合
子宮や卵巣の手術をしたことがある女性は、大腸カメラが挿入・通過しづらいケースがあります。
人の身体は開腹手術を受けた際の傷が治る段階で、大小にかかわらず癒着が生じます。
この場合、本来ならお腹の中で一部がブラブラしている大腸が腸壁に癒着するため、カメラが通りにくくなります。
しかしその場合でも、鎮痛剤の量の調整や、経験豊かな術者の技術により、苦痛の少ない検査が行えます。
手術歴がある方は、検査前にあらかじめ伝えておきましょう。
大腸カメラ検査を受けたほうがよい女性の特徴・症状

大腸カメラで見つかる病気には、生理や便秘・痔に似ているために放置しがちになる症状が見られるものが多くあります。
ここでは、大腸カメラ検査を受けたほうがよい女性の特徴や症状について紹介します。
下痢と便秘を繰り返している
下痢と便秘を繰り返す症状は以下のような病気が疑われます。
大腸がんは初期の自覚症状がなく、気付かないうちに進行します。
生理には生理前の便秘と生理中の下痢の症状がありますが、1ヶ月に2〜3回生理が来る頻発月経と重なると、生理の症状と思い込んで腸の病気を見逃す可能性があります。
過敏性腸症候群は検査で判明できない病気のため、治療するにはがんに代表される重篤な病気でないことの確認が必要です。
下痢と便秘を繰り返している方は、様子を見ずに早めに受診しましょう。
便が赤黒い・便に血が付着する
便が赤黒い、または便に血が付着する場合、以下のような病気が疑われます。
- 大腸がん
- 大腸憩室出血
- 炎症性腸疾患
- 虚血性腸炎
- 感染性腸炎
女性はホルモンが腸の運動を抑制する、腹筋が弱く排便時に十分な腹圧がかからないなどの理由で便秘の人が多く、痔にもなりやすいです。
また、生理の血が便についたと思い込んで見落とすことも考えられます。
便が赤黒い・血が付着する症状がある場合、以上のように治療が必要な病気の可能性が考えられるため、早急に受診し検査することが必要です。
貧血の症状が見られる
以下のような病気の場合、慢性的な貧血の症状が見られることがあります。
女性は生理や妊娠・更年期などのライフイベント、ダイエットによる食の偏りなど、さまざまな原因で貧血になりやすい傾向がありますが、病気が隠れている可能性もあります。
しかし大腸カメラ検査は40歳以上の方を対象として1年に1度の大腸がん検診を厚生労働省でも推奨しており、女性の場合、同じ40代で婦人科系の病気のための受検も勧められています。
貧血気味で大腸カメラ検査を受けたことがない方は、なるべく早いうちに検査することをおすすめします。
便潜血検査が陽性
便潜血検査で一度でも陽性が出たことがある方は、大腸カメラ検査を受けましょう。
便潜血検査とは、文字通り便に血が混じっていないかを調べる検査で、陽性者のうち2〜3%で大腸がんが発見されます。
便潜血検査は生理のときに行うと、経血が混じって陽性が出る可能性があるため、生理が終わって2〜3日経ってから受けましょう。
家族に大腸がんやポリープを経験した方がいる
大腸ポリープや大腸がんは遺伝性が高く、罹患したことがある家族がいる場合、発症リスクは通常の2〜3倍に上るため、大腸カメラ検査を速やかに受けましょう。
また、家族性大腸腺腫症も遺伝性で、大腸内や十二指腸にポリープが複数発生し、大腸がんや十二指腸がんなどを引き起こす可能性があります。
家族性大腸腺腫症の家族がいる場合は、大腸カメラ検査が効果的といわれている40歳よりもずっと若い20代半ばで約10%、放置すれば60代でほぼ100%が大腸がんを発症すると考えられています。
家族に大腸がんに罹患した方がいる場合、40歳と言わずもっと早いうちから大腸カメラ検査を受けましょう。
恥ずかしい場合は女性医師による大腸カメラ検査がおすすめ

他人にお尻を見せることを恥ずかしいと思うのは当たり前のことで、ましてや女性にとって男性医師にデリケートな部分を見せるのはどうしても抵抗を感じる場合もあるでしょう。
しかし、大腸がんは女性のがん死亡数で最も多く、初期の自覚症状がほとんどないため、大腸カメラ検査による早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。
えさか駅前にしごりおなかとおしりのクリニックでは、検査に対する恥ずかしさによって大腸や肛門の病気の発見が遅くならないよう、女性医師による大腸カメラ検査を選んで頂けます。
大腸カメラ検査が恥ずかしくてどうしても勇気が出ない方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
女性にとって大腸カメラ検査がどれほど重要な検査であるかを知って頂けたかと思います。
生理やムダ毛、恥ずかしさなど、気になる点があれば事前に医師や看護師に伝えておくと、安心して検査を受けやすいでしょう。
えさか駅前にしごりおなかとおしりのクリニックでは、女性医師による女性のための大腸カメラ検査を提供しています。
少しでも早い発見・治療のお手伝いができるように、えさか駅前にしごりおなかとおしりのクリニックでの大腸カメラ検査をご検討ください。